MEFV遺伝子変異を有する分類不能炎症性腸疾患患者に対するコルヒチン有効性を報告~本疾患の病態に関連する細菌を同定~
当講座仲瀬裕志教授、我妻康平先生が取り組んでいた「コルヒチン反応性腸炎における地中海熱遺伝子変異の関与:後ろ向きコホート研究」の論文が、eBioMedicineに掲載されました。本研究は2016年7月から2022年3月の期間に全国37の施設の396人の患者さんを対象として実施した、多施設共同後ろ向きコホート研究です。分類不能炎症性腸疾患 (IBDU)患者さんにMEFV遺伝子の変異を有している患者さんが多く存在していること、MEFV遺伝子変異を有するIBDU患者さんは腸内細菌叢が変化していること、MEFV遺伝子変異を有するIBDU患者さんにコルヒチン治療が有効であることを明らかにしました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)免疫アレルギー疾患実用化研究事業(課題番号JP21ek0410057)の支援を受けて実施されました。本学ホームページ、プレスリリースでも発表されております。
論文名 Involvement of Mediterranean fever gene mutations in colchicine-responsive enterocolitis: a retrospective cohort study(コルヒチン反応性腸炎における地中海熱遺伝子変異の関与:後ろ向きコホート研究)
著者名 Hiroshi Nakase, Kouhei Wagatsuma, Taku Kobayashi, Takayuki Matsumoto, Motohiro Esaki, Kenji Watanabe, Reiko Kunisaki, Teruyuki Takeda, Katsuhiro Arai, Takashi Ibuka, Dai Ishikawa, Yuichi Matsuno, Hirotake Sakuraba, Nobuhiro Ueno, Kaoru Yokoyama, Masayuki Saruta, Ryota Hokari, Junji Yokoyama, Shu Tamano, Masanori Nojima, Tadakazu Hisamatsu.
雑誌名 eBioMedicine(国際科学雑誌)
DOI:10.1016/j.ebiom.2024.105454